平均年収ってどのくらい?
結婚相手に求める年収は600万円! 年収400万なんてゾッとする!
短時間労働者を含めた平均年収は400万円以上
中でも男の平均年収は500万円以上
この平均年収ですが、どこまで本当の数字なのでしょうか?
民間給与実態統計調査による平均年収
1年を通じて勤務した給与所得者 4,645 万人(男性 2,754 万人、女性 1,892 万人)
支払われた給与の総額は 192 兆 1,498 億円(男性 140 兆 7,830 億円、女性51 兆 3,668 億円)
H25 平均年収:男性 511 万円、女性 271 万円
正規についてみると
1年を通じて勤務した給与所得者数は、3,056 万人(男性 2,095 万人、女性 960 万人)
支払われた給与の総額は、144 兆 5,322 億円(男性 110 兆 3,312 億円、女性 34 兆 2,010 億円)
H25 平均年収:男性 526 万円、女性 356 万円
非正規についてみると
1年を通じて勤務した給与所得者数は、1,040 万人(男性 314 万人、女性 726 万人)
支払われた給与の総額は、17 兆 4,494 億円(男性7兆 428 億円、女性 10 兆 4,065 億円)
H25 平均年収:男性 224 万円、女性 143 万円
平均年収の致命的な問題点
この平均年収の算出方法には致命的な問題があり、実態とかけはなれている点に注意。
これは、退職者 や 中央値、最頻値、企業規模、一部の高所得者の存在 が原因となっています。
こういった点を考慮した資料を元に平均年収を算出するのが望ましい。
実は、標準報酬上限のある社会保険の資料から年収を算出する方法があります。
全国健康保険協会管掌健康保険の事業年報 や 標準報酬月額別被保険者数、
についての資料を使うと日本の実態が見えてきます。
社会保険に入っている人の平均年収
民間給与実態統計調査の数字で平均年収が高すぎると感じる方が多いのは当然なんです。
なぜなら、こちらの数字が一般人の平均的な給与なのですから……
半数の人の月収(総額)が24万円以下です。
半数の人が年間貰える賞与の額が20万円以下です。
24万円 * 12ヶ月 + 年間賞与20万 = 308万円……
ところがどっこい、夢じゃありません! 現実です!
これがげんじつ!
ちなみに、社会保険(協会けんぽ)加入者の中央値年収となっております。
社会保険未加入のブラック企業でしたら、待遇は推して知るべしでしょう……
民間給与実態統計調査: 年度別の平均年収まとめ
標準報酬月額: 協会けんぽの月額分布から平均年収と中央値を逆算
平成25年 民間給与実態統計調査(国税庁)
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/tokei.htm
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2013/pdf/001.pdf
U 1年を通じて勤務した給与所得者 より
社会保障審議会年金部会(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tgrr-att/2r9852000001tgws.pdf
標準報酬月額別被保険者数 より
全国健康保険協会管掌健康保険 事業年報(協会けんぽ)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/cat740/2604/260408/260408014.pdf
標準報酬月額別被保険者数 及び 年間標準賞与額別被保険者数
※民間給与実態統計調査
正規:役員、青色事業専従者及び非正規を除く給与所得者をいう。
非正規:パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託等をいう。
男の平均年収
標準報酬月額(H24)では、半数(中央値)が月収総額 28万円以下、年間賞与の中央値 20万円以下となっています。
同年の民間給与実態統計調査では男の平均年収が502万円と公表されています。
28万円 * 12 + 年間賞与20万 = 356万円……
ずいぶんと差がありますね。
どうしてここまで数字が違うのか?
こういった疑問が出てくると思います。
これには、企業規模などにおける問題があります。
356万円の算出根拠は中小企業を対象とした協会けんぽの中央値。
協会けんぽのほか
1.多数の従業員を抱える大会社は 組合健保
2.公務員や学校教員を対象とした 共済健保
3.船員労働者が加入する 船員保険
4.個人事業主などが加入する 国民年金、国民健康保険
社会保険といっても色々と違いがあります。
以下の社会保険制度別標準報酬月額を見てみると大幅に差があるのがわかります。
平成23年度の平均
協会けんぽ 275,151、 組合健保 365,773、 船員健保 392,249、 共済健保 421,100
組合健保のような大企業勤めですと500万円が平均年収と言われても、
まあ、そのくらいが普通だろうという感覚。
協会けんぽを利用する中小企業勤めなら、何でそんなに平均年収が高くなるの!?
というように認識の差が生まれてきます。
平均年収 | 男 | 女 |
平成 | 民間給与 | 協会けんぽ | 組合健保 | 民間給与 | 協会けんぽ | 組合健保 |
24年 | 5,020,000 | 4,186,890 | 6,192,617 | 2,680,000 | 2,953,134 | 3,668,159 |
平均年収: 標準報酬月額の平均額で算出しています、協会けんぽの中央値を使うとさらに下がります。
大企業なら社宅の他、保険の団体割引などもあるので待遇としては段違い、
もちろん中小企業でも待遇のいい所はありますが、探すのは相当難しいでしょう。
平成24年 民間給与実態統計調査(国税庁)
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2012/pdf/001.pdf
一般的な平均年収
高額所得者含む、1年未満の勤続年数を除く、
こういった方式での平均年収算出は実態に則していません。
役員のほか、非正規、正社員、フリーターなど雇用形態によっても全く違ってきますし、
1年未満、退職を含んだ数字を合わせることで見えてくるものもあります。
平成25年 民間給与実態統計調査では
給与所得者 5,535 万人の給与所得が 200 兆 3,597 億円
そのうち1年を通して勤務した給与所得者が 4,645 万人 、給与所得が 192 兆 1,498 億円
統計から除かれた 890 万人の給与所得が 8 兆 2099 億円……?
890万人の人の給与所得の平均が92万円……?
定年や寿退社、生活保護などいろいろとあるため
これだけではどうこう言えませんが、無視できないレベルの数字ですね。
H25男 | 役員 | 正規 | 非正規 | 合計 |
万円台 | 株式会社 | その他法人 | 1年未満 | 株式会社 | その他法人 | 1年未満 | 株式会社 | その他法人 | 1年未満 |
百未満 | 79,158 | 62,010 | 158,199 | 71,235 | 31,381 | 422,349 | 450,969 | 126,245 | 1,519,001 | 2,920,547 |
100万 | 217,557 | 137,353 | 18,089 | 402,735 | 165,382 | 373,963 | 750,075 | 212,070 | 232,731 | 2,509,955 |
200万 | 231,353 | 164,203 | 13,066 | 1,760,472 | 496,856 | 390,533 | 660,785 | 144,829 | 81,853 | 3,943,950 |
300万 | 235,123 | 131,282 | 6,979 | 3,444,856 | 760,894 | 158,776 | 331,616 | 65,232 | 22,657 | 5,157,415 |
400万 | 219,422 | 128,664 | 5,305 | 3,606,241 | 517,333 | 89,205 | 124,148 | 23,248 | 7,019 | 4,720,585 |
500万 | 210,757 | 113,921 | 2,590 | 2,755,384 | 393,447 | 43,513 | 42,082 | 14,596 | 2,630 | 3,578,920 |
600万 | 125,667 | 50,819 | 1,691 | 1,861,973 | 230,101 | 24,329 | 27,949 | 7,375 | 1,815 | 2,331,719 |
700万 | 148,109 | 69,202 | 1,900 | 1,224,109 | 178,553 | 13,562 | 10,434 | 3,793 | 1,076 | 1,650,738 |
800万 | 123,773 | 38,487 | 858 | 822,021 | 102,232 | 5,866 | 9,273 | 2,230 | 1,450 | 1,106,190 |
900万 | 77,279 | 29,144 | 892 | 502,861 | 77,881 | 9,337 | 5,282 | 1,350 | 190 | 704,216 |
※最頻値: 給与所得者の分布の内、最も頻繁に出現する値。
見ていただければ判ると思いますが、1年未満の給与所得者の数字を入れてしまうと
平均年収が大変なことになってしまいそうですね……
※年収1,000万円未満、ちなみにこの表は単位が万円台表記にしています。
万円以下表記にすると受ける印象が全く違うものになります。
内容は同じなんですけどね……
企業規模別及び給与階級別の総括表 給与所得者数・給与額(国税庁)
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2013/pdf/06.pdf
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2013/pdf/07.pdf
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平均年収とは
散財のすすめ : 私が購入した商品など……
年収とは、年間の給与の額面に各種手当てを加算した額を指します。
非課税通勤手当は加算しません、社会保険料などの各種控除を差し引く前の金額です。
給与の年収、所得、手取り
を混同している人が結構おられます。
これは全くの別のものです。
年収:非課税手当てを除く総支給。
所得:必要経費などを引いた額、給与は優遇されているため所得に直すと激減します。
手取り:毎月支給される金額。
同じ金額でも、年収ベース、所得ベース、手取りベースのどれに当たるかで全く違います。
平均年収の計算方法
計算方法はいたって単純、月に基本+手当25万、通勤手当1万、社保3万、税金2万、手取り21万、ナス無しなら
25万円 * 12ヶ月 = 300万円が年収となります。