日本の平均年収、高すぎる平均と中央値の乖離について

平均年収が公表されるたび平均が高すぎると感じたりしたことはありませんか? これは、民間給与実態統計調査の算出上の問題なんです。 実態とはかけ離れています。

日本の平均年収

民間給与実態統計調査

国税庁が毎年、民間の事業所における年間の給与の実態を公表しています。
景気の指標や話のネタによく使われる数字ですね。

中央値ではなく平均値ですので、実態とはだいぶかけ離れた数字となります。
あくまで参考程度に見ておくといいでしょう。

中小企業勤めの協会けんぽ加入者にとっては 高すぎるし、
大企業勤めの組合健保加入者にとっては 低すぎる……

民間給与の実態調査結果のまとめ

各年度別の平均年収(※1年を通じて勤務した給与所得者の平均)
平成24年度より正規、非正規別の枠が加わっています。

万円全体
平成全体正規非正規全体正規非正規平均正規非正規
15年544--275--444--
16年541--274--439--
17年538--273--437--
18年539--271--435--
19年542--271--437--
20年533--271--430--
21年500--263--406--
22年507--269--412--
23年504--268--409--
24年502521226268350144408468168
25年511527225272356143414473168
ちょっと非正規の賃金が笑えないレベルになってますね…… 統計情報(国税庁) https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/tokei.htm

調査結果と実態の乖離

平均年収と実態がかけ離れる理由として、
よく高額所得者が含まれているという話があります。

高額所得者の存在も平均を押し上げる要因の1つですが、
2,500万円超などに区分される所得者は絶対数が少なく、全体に与える影響は限定的です。

平均年収が高い原因
1.高額所得者の存在
2.大企業 と 中小企業の平均は全くの別物
3.1年未満勤続の給与所得者を無視している
4.中央値や最頻値ではない

平均を押し上げる原因として最も大きいのが事業規模、大企業の存在です。

事業所規模による平均格差
10人未満の小規模、30人以上のよくある中小企業 と 1,000人以上の大企業の比較。

平成25年10人未満30人以上 100人未満1,000人以上 5,000人未満
万円台男 441万人女 389万人男 429万人女 292万人男 387万人女 237万人
百未満209,1924.7%882,95022.7%124,6652.9%440,43615.0%108,4242.80%422,94217.8%
100万台606,31413.7%1,189,04530.5%316,6517.4%767,17626.2%202,3015.22%586,52924.7%
200万台922,56120.9%901,52423.2%738,38617.2%754,95825.8%287,0737.40%410,40417.3%
300万台912,47520.7%423,12510.9%1,030,85024.0%529,31618.1%473,86712.22%342,21014.4%
400万台689,15015.6%227,7225.9%844,03719.6%230,8527.9%575,84414.85%265,65211.2%
500万台421,5319.6%116,3923.0%532,52312.4%105,4523.6%559,29814.42%163,3156.9%
600万台175,9564.0%44,1531.1%272,9796.3%45,5331.6%470,13812.12%80,5233.4%
700万台152,6813.5%37,4081.0%166,2033.9%23,8220.8%355,3539.16%45,4821.9%
800万台90,1992.0%19,2190.5%83,7311.9%8,7970.3%276,9057.14%23,0691.0%
900万台56,2401.3%13,1050.3%41,3101.0%5,6910.2%185,7854.79%13,7840.6%
1,000万超174,4984.0%37,7821.0%147,9013.4%16,7710.6%382,6929.87%19,8940.8%
中央値と最頻値: 事業規模によってこれだけの差があります。 大企業勤めだと平均年収はこんなものだろうという感覚、中小企業勤めだと何でこんなに高いの!? といった認識の差が生まれてきます。 年収300万円時代を生き抜く、300万台の貯蓄術といった本が出てくるのも当然か…… 事業所規模別及び給与階級別の給与所得者数・給与額(国税庁) https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2013/pdf/05.pdf 平均年収 TOP:トップページに戻る。

平均年収とは
散財のすすめ : 私が購入した商品など……

年収とは、年間の給与の額面に各種手当てを加算した額を指します。
非課税通勤手当は加算しません、社会保険料などの各種控除を差し引く前の金額です。

給与の年収、所得、手取りを混同している人が結構おられます。
これは全くの別のものです。

年収:非課税手当てを除く総支給。
所得:必要経費などを引いた額、給与は優遇されているため所得に直すと激減します。
手取り:毎月支給される金額。

同じ金額でも、年収ベース、所得ベース、手取りベースのどれに当たるかで全く違います。
平均年収の計算方法
計算方法はいたって単純、月に基本+手当25万、通勤手当1万、社保3万、税金2万、手取り21万、ナス無しなら
25万円 * 12ヶ月 = 300万円が年収となります。
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