日本の平均年収、高すぎる平均と中央値の乖離について

平均年収が公表されるたび平均が高すぎると感じたりしたことはありませんか? これは、民間給与実態統計調査の算出上の問題なんです。 実態とはかけ離れています。

日本の平均年収

標準報酬月額とは

年金や健康保険などの社会保険の計算基礎となる月額です。

標準報酬月額別被保険者数の等級分布について
標準報酬月額の定時決定は4月、5月、6月に支払われた賃金から算出します。
また賞与支払いの際には標準賞与額を届け出ます。

この社会保険の数字を利用することで平均年収を逆算することが可能となります。
民間給与実態調査よりも標準報酬月額の方が実態に即しています。

標準報酬月額が実態に即している理由
1.上限額があるため高額所得者による影響が少ない
2.社会保険加入の壁があるため、大学生のバイトやパートによる影響が限定的
3.一般の協会けんぽ、組合健保に分かれているため区分しやすい

※協会けんぽ内でも平均の引き上げが多少あります。
 月額100万を超える人が1%程……、民間給与実態調査に比べれば影響が薄い。

中小企業 と 大企業 の報酬月額

中小企業と大企業の差がはっきりと判ります……
新卒の就職活動は地獄だぜ。

標準報酬協会けんぽ(中小企業)組合健保(大企業)
平成給与男給与女賞与男賞与女給与男給与女賞与男賞与女
15年325,450215,034511,362381,446416,300249,6911,341,215633,629
16年323,758215,072514,891378,983418,570250,8531,376,358625,253
17年323,758215,736515,859370,610418,570251,6321,392,911604,841
18年323,135216,242514,252365,418418,469252,2951,389,791598,053
19年326,201217,419510,787356,418420,303255,2811,431,788598,966
20年326,114218,346485,028356,445419,495256,0161,401,023587,147
21年317,956217,131425,267340,525408,699254,9451,208,904535,789
22年313,341216,475434,351344,888407,525255,3681,250,213555,852
23年312,031216,552438,244344,553409,319256,2121,272,604564,301
24年312,150217,485441,090343,314410,968258,2711,261,001568,907
男の月額を見ていただければわかりますが、中小企業と大企業では待遇が別物です。 大手企業のほうが、給与は3割、賞与は倍以上…… 福利厚生や保険料負担、保障充実、社宅、家賃扶助、冠婚葬祭、団体保険、健康診断の負担などどれだけの差があるやら……

平均年収の逆算

標準報酬月額から平均年収を逆算したところ、
大企業は民間給与統計実態調査を超える平均年収となりましたが、中小企業は大幅に下回りました。

平均年収男 月額 * 12 + 賞与女 月額 * 12 + 賞与
平成民間給与協会けんぽ組合健保民間給与協会けんぽ組合健保
15年5,440,0004,416,7626,336,8152,750,0002,961,8543,629,921
16年5,410,0004,399,9876,399,1982,740,0002,959,8473,635,489
17年5,380,0004,400,9556,415,7512,730,0002,959,4423,624,425
18年5,390,0004,391,8726,411,4192,710,0002,960,3223,625,593
19年5,420,0004,425,1996,475,4242,710,0002,965,4463,662,338
20年5,330,0004,398,3966,434,9632,710,0002,976,5973,659,339
21年5,000,0004,240,7396,113,2922,630,0002,946,0973,595,129
22年5,070,0004,194,4436,140,5132,690,0002,942,5883,620,268
23年5,040,0004,182,6166,184,4322,680,0002,943,1773,638,845
24年5,020,0004,186,8906,192,6172,680,0002,953,1343,668,159
これは平均年収の計算なので、中央値で見るとさらに下回ります。 女性に限って言えば、働き方をセーブしている人が除かれたため大幅に平均値が上昇しています。 1.住宅手当や税金目的で旦那の扶養から外れないように収入を抑えている。 2.社会保険の加入対象にならないよう勤務時間を抑えている。 こういった人が除かれたためです。 協会けんぽから逆算した年収中央値 中小企業の年収中央値は308万円男 356万円女 260万円)このくらいになります。 大企業に勤める人は平均年収ある人が大多数ですが、中小は厳しいですね。
標準報酬男割合女割合平均割合
以下給与賞与給与賞与給与賞与
0-37.8%-36.1%-37.1%
0102.20%6.7%2.83%10.0%2.44%8.0%
102022.64%6.0%55.91%7.5%35.57%6.6%
203037.57%5.6%29.88%6.5%34.59%6.0%
304018.99%5.4%6.71%6.3%14.22%5.9%
405011.04%4.9%2.93%5.6%7.89%5.5%
507.56%33.6%1.74%28.0%5.29%30.9%
中央値28万円10~20万20万円10~20万24万円10~20万
H24 全国健康保険協会管掌健康保険 事業年報29~30P(協会けんぽ) https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/cat740/2604/260408/260408014.pdf 健康保険・船員保険事業状況報告(厚生労働省 統計表一覧 年次報告) http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/iryouhoken/database/seido/kenpo_zyoukyou.html ※協会けんぽ加入のような中小企業の中央値です。  組合健保のような大企業、社会保険無しのブラック企業の中央値とは異なります。 平均年収 TOP:トップページに戻る。

平均年収とは
散財のすすめ : 私が購入した商品など……

年収とは、年間の給与の額面に各種手当てを加算した額を指します。
非課税通勤手当は加算しません、社会保険料などの各種控除を差し引く前の金額です。

給与の年収、所得、手取りを混同している人が結構おられます。
これは全くの別のものです。

年収:非課税手当てを除く総支給。
所得:必要経費などを引いた額、給与は優遇されているため所得に直すと激減します。
手取り:毎月支給される金額。

同じ金額でも、年収ベース、所得ベース、手取りベースのどれに当たるかで全く違います。
平均年収の計算方法
計算方法はいたって単純、月に基本+手当25万、通勤手当1万、社保3万、税金2万、手取り21万、ナス無しなら
25万円 * 12ヶ月 = 300万円が年収となります。
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